アメリカぷるぷるアート観光 Altruart in America

ニューヨークより心が震えるアートの紹介。障害とアート/アウトサイダーアート/アールブリュット/現代アート/NPO団体/アートフェア/美術館/おもしろグッズ etc.

ニューヨーク市による「アート×ボランティア」の社会貢献コラボ

©NYCDOT

アメリカでは学業の中でボランティアが義務化されているなど、幼い頃から社会貢献精神を養うプログラムがあります。私もボランティア登録をしていて、時間がある時にはたまに参加しています。大体そういうところで出会う人は気持ちのよい方々が多かったり、思わぬような人にも出会ったりして、「参加してよかったなあ」としっかりと自分の糧にもなるアクティビティ!

 


 

中でもやはり私が気になるのが「アート+社会貢献」の分野。今回はニューヨーク市が運営するボランティア団体ニューヨークケアーズ(New York Cares):写真上 と、市の道路交通局によって運営されるニューヨークシティドットアート(New York City DOT ART)  :写真下  によって実現した「アートで社会貢献の現場」をお伝え。

 

 

ニューヨークドットアートでは使用するアート作品を公募することによって、活躍の場を求めるアーティストにも大きく貢献しています。一体なんだろう?と思う画像が沢山。今回その中からご紹介するのは、道路脇の壁をアートで埋め尽くす企画です。




これはニュース12というブロンクス(ニューヨーク市の区のひとつ)の地域ニュースで取り上げられた様子。このように市に貢献する活動は地域のニュースに取り上げられやすいため、メディア露出の機会が増えます。新進アーティストにとって、作品が採用されること以上に大きな収穫をもたらすのが、こういった記事の積み重ね。これが「作家」としてのプルーフになっていくわけです。

街は美しくなり市民が喜び、市の活動が地域に認知を深め、新進アーティストの成長の糧となり、スポンサー企業も市民から好印象!これはいいこと尽くし。

 


©NYCDOT

ブロンクスのすこし暗い雰囲気の町並みが・・・・

 


©NYCDOT

なんと明るく大変身!

 


©NYCDOT

さてこの活動、採用されるためには実は激しいコンペティションがあります。なんと今回ニューヨークシティードットアートから選ばれたのが、NY在住日本人アーティスト藤野真由子(Mayuko Fujino) さん。しかも、彼女は来月ニューヨークで開催される「アウトサイダー・アートフェア」に初出展する日本のギャラリーMegumi Ogita所属。アウトサイダー・アーティスト・・・とはいいませんが、独学で切り絵を学んでアレンジした作風で、アメリカ国内外各地にコレクターが存在する注目株アーティストです。

 


©Mayuko Fujino

藤野さんの作品。グループ展開催中。

 


©Mayuko Fujino

繊細な技術とセンスが美しい。見ていて幸せになります。


道路脇の壁が塗られていく工程がNYドットアートのフリッカーで見られて面白いので、ここで写真をご紹介。お天気の良い日に自分も何かしてみたい気持ちになりますね。


先ほどの、道路色の道路壁

 


おじちゃん(お、おばちゃん?)たちがせっせと下色を塗ります


特大ステンシル登場


藤野さんの指示で作業を進めるニューヨーカーたち


ぬる、ぬる、ぬる・・・・・

 


ああ剥がしたい、 剥がしたい・・・


べりっと剥がして、完成!!


散歩する親子連れも笑顔


こういった活動には、企業の協力が欠かせません。テレビで取り上げられることは勿論、今や多様化するSNSの拡散力で、多くの人に印象を与えることができますよね~。今回でHSBC(銀行です)は私にはもう好印象。すごい単純ですが、そういうものなんですよね。