ギターと聞いて思い浮かぶ形があると思うのですが、それだってモン切り型の反応。
1930年にアーカンソー州に生まれたエド・スティリーさんは、農耕、狩猟他苦しい仕事をして生きていたのですが、彼はある日神の啓示を受けます。「あなたが楽器を作りそれを無償で人々に提供すれば、神の思し召しがあるでしょう」と。
©Rare Visions and Roadside Revelations
それからエドさんは26年間かけて200本以上のギターを作り続けます。そこから収入を得ること、認められることといった対価を求めず、ただひたすら。上の写真はその一部。真ん中のチョウチョのようなギター、すごい形をしています。
エドさんのギターは、普通の木材以外にどこかに埋まっていた材料・いらないドアの蝶番などまで使用され、フレットにはそのへんから拾ってきた小さな棒を切ってロウ付けされています。すごいエコ。
©Rare Visions and Roadside Revelations
更にこのギター、不思議なのは外見だけではありません。「隠れた宝物」として、ギターの内部にチェーンソーやドアのバネ金属のパイプなどを仕込み、楽器に更に独自の音が加わるようにアレンジしているんです。右上の写真が彼のギターをX線にかけたもの。ばっちりチェーンソーの刃が!表面にも色々工夫がしてあるようなのですが、最後にがっちりと色を塗ってしまうので、一見普通?のギターに見えます。
エドさんの熱い信仰心が溢れます。
©Rare Visions and Roadside Revelations
エドさんお楽器を演奏するバンドStill on the Hill
エドさんと仲間たち
アーカンソー州で行われている、Fayetteville Roots Festivalという音楽祭に合わせ、現在ウォルトン・アーツ・センターにて11月1日までエドさんのギター作品が展示されています。(この音楽祭に参加しているアーティストは全く知らない方ばかりなのですが、催しの1つのスポンサーにスバルの名前を見つけて静かに興奮する私でした。)
展覧会のオープニングの様子。まだまだ元気なエドさんのお話を聞くことができます。
[参考]
・ウォルトン・アーツ・センター
・Fayetteville Roots Festival
・Still on the Hill上記の動画是非見てください。細部までギターのデザインが見られます。それが、とてもいい。色形思いが全て凝縮され、時間をかけられた集大成です!!