Youtube動画 Schools Out: Self-taught Artists: Grandma Moses, Bill Traylor, William Hawkins より。
生涯を通し路上生活者であった、ビル・トレイラー(Bill Traylor)。作品と作家とのギャップとの遭遇は、いつも衝撃的です。
ニューヨークのアメリカン・フォークアート・ミュージアム(American Folk Art Museum)では、昨日までビル・トレイラー展覧会が開催されていました。上の画像はそのカタログから。
以前はニューヨーク近代美術館MOMAの隣に支店のあったフォーク・アートミュージアムですが、現在はアッパーウェストというエリアに美術館があります。
参照:さよならフォークアートミュージアム2013年4月
ビル・トレイラー(1854-1949)は、まさにアウトサイダー・アーティストの代表のような人生を送った芸術家です。
農場で奴隷の家に生まれたのち、その後も生活は苦しく、85歳になってからも靴職人の家にある死人埋葬用の部屋の裏部屋で暮らします。
そこで路上生活を送りながら、農場に居た人たちのことを思い出して絵を描き始めました。
それからの4年間で、1200から1500点の作品を制作し、後にまた地元のホームレス生活にまた戻り、1949年に亡くなりました。
1970年代に、ビルに絵の具を貸してあげていたりした方が、その作品群をアートディーラーに見せ始めた所、とても高い評価を得ます。
上の画像は今回の展覧会のものですが、
何も知らずにこの絵をみるのと、上記に触れたような、ビルの人生を読んだ後見たこの絵は、もはや同じに見えません。
絵は同じなんですけどね。私の脳が違う処理をしているんでしょうね。
個人的に、ビルトレイラーはそんなに興味のあったアーティストではなかったのですが、今回の展覧会を通して好きになりました。
さて、入り口です。
どーんと、マネキンが。ビル・トレイラーの作品を使用したスカーフを使ったドレスです。(スカーフは後ほどご紹介)
展覧会のカタログ。 左)表紙 右)作品紹介
美術館の中では写真禁止だったので、このカタログの画像からご紹介していきます。
会場にはいると、あまりの作品数の多さに驚きました。200点くらい合ったんじゃないかと思います。この美術館自体は小さいものですが、この団体の所有するコレクションとアウトサイダーアートやアール・ブリュット、セルフトートアートのコレクターとの繋がりは、世界有数のものです。
例えばご存知ヘンリー・ダーガーの作品のコレクションも、
資産換算したら大変な収蔵品ですね。
また今回のように、アウトサイダー・アートのジャンルでは指折りの有名なアーティストである、ビル・トレイラーの展覧会ができるもの、このミュージアムならではですね。
次回は充実のおみやげコーナーを紹介します。