ワシントンD.C. にもたくさんのアウトサイダーアート関係のものがある中、まずはWVSAのオープニングへ。WVSAは障害を持った方の支援をするNPOで、特に就労に関するプログラムが研究され、充実している。(VSAとは別物。VSA参照)
広い一軒家の中から、子供の声、音楽、おいしい食べ物のにおい、笑い声、幸せな一幕。自分の作品の前にたち、作品の説明をするのを待つアーティストたち。
マイケルさんとその作品。
背景と植物の色のコンストラスとがきれい
そして、白ワイン片手に作品を眺めているうちに、あれ? アーティスト作品解説をいただきながら、少し疑問が湧いてきた。それは、マイケルさんとは別の作家なのに、同じような作品が並んでいる。一体アートプログラムの中で、どのようなクラスが行われているのかというのかしら。
正直気になる。
というのも、「みんな自由に描いているわ」 とスタッフの言葉だけど、どうも「一様に教え込まれた」印象・・・。違う作家の作品なのに、植物の背景はみな一様に背景が黒だったり、こぞって名画の模写をしていたり。これは、私も受けてきた、美術の授業の発表会のような。。。
名画の模写たちと、それを説明するアーティストたち
アウトサイダーアートというものの定義自体がそもそもあやふやすぎて、日本では特に使うのすら避けられている。
アメリカでは1つのジャンルとして確立されているので、割り切って使われている様子だが、その基準でいっても、ここの作品が芸術作品の「アウトサイダーアート」としては解釈が違うように思えた。
ただ、教育されていないアートが「正しい」ということでもないので、アウトサイダーアートを期待して見に行った私のほうこそが的外れだったのかもしれない。
福祉施設がこぞってアートにすがり、全員が天才のような扱いをするのも、客観的にみれば寒々しい内輪パーティだが、アートがストレスや自己発散のひとつの道具であるのは、納得するし、賛成もする。
そのあたりのお話は、兵庫県立美術館の学芸員で、アウトサイダーアートの本の著者である服部正さんからもお伺いをしていたが。。
私は目的を変えて、楽しく過ごすことにした。この施設を必要としている方は、たくさんいるし、こんなに笑顔の溢れた午後は幸せだ。窓のかわいい飾りをみながら、白ワインをのみ、踊って過ごした。
施設情報
1100 16th Street NW
Washington, DC 20036