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アメリカぷるぷるアート観光 Altruart in America

ニューヨークより心が震えるアートの紹介。障害とアート/アウトサイダーアート/アールブリュット/現代アート/NPO団体/アートフェア/美術館/おもしろグッズ etc.

伝説の妄想ソウルシンガー ミンガリング・マイク

 

©Mingering Mike, mingeringmike.com

ドリ・ハーダー(Dori Harder)さんはいつもの様にフリーマーケットで趣味のヴィンテージレコードを漁っていると、60-70年代にリリースされたと思われるR&Bソウルアーティストミンガリング・マイク (Mingering Mike) のレコードを大量に発見。そしてそれを手にとった瞬間、熟年レコードコレクターの勘からして、「とんでもないレアものをゲットした」予感に溢れました。そしてその予感はまさに的中します。

 

©Mingering Mike, HEMPHILL Gallery

"Let's Get Nasty" ヤバイことやってやろうぜ。Big Dは彼の親戚。
(1枚目画像のオーディオ・アンドレAudio Andre は彼のいとこ)

 
ドリさんがレコード盤を開けてみてわかったのは、ジャケットからレコード盤まで「ダンボール製」の本人手作り。全て架空レーベルからリリースされた架空レコードだったのです。ミンガリングさんは1960年代から10年間程で50枚、いや、発見されていないものを含めればもっと多くのレコードを超個人的に発表していたことがわかりました。

昼夜問わずこのミンガリングさんに夢中になったドリさんが、Soul Strut というサイトでこのレコードのことをシェアすると、このフィクション・スーパースター・ミンガリングさんは、たちまちネットを介して有名になりました。


©Mingering Mike, mingeringmike.com

ミンガリングさんによると、貸し倉庫にこれらの作品(彼曰くマイ・ベイビーたち)を入れていたのですが、家賃を払えなくなったためオーナーによって勝手にジャンク品として売り飛ばされてしまったとのこと。それが流れに流れてフリーマーケットで並べられたそうです。なんだかヘンリー・ダーガーやチャールズ・デルショーを彷彿とします。

【ご参照】
美しすぎ。ヘンリー・ダーガーのポストカード
孤高の飛行機製図技師チャールズ・デルショーその1
孤高の飛行機製図技師チャールズ・デルショーその2



©Mingering Mike, mingeringmike.com

ブルース・リーへ捧げる、トリビュート盤

因みにミンガリングさんのオフィシャルサイトがあって、彼の歌声も聞くことができます。ドリさんと多くの方がの協力の賜物でしょう。
Mingerng Mike Official Site http://www.mingeringmike.com/

なかでも、ミンガリングさんが米国政府からベトナム戦争への参加要請招集を受けた悲しみから制作した「All I Can Do Is Cry」(私に泣くことしかできない)という歌の衝撃的なドローンな感じは必聴です。ここから視聴できます。一番トップの曲です。

彼が曲を作るときは、まずタイトルが浮かんでくるそうです。
ミンガリングさん「ほら、霧の中からさ、太陽が突然でてくるような感じさ」


©Mingering Mike, mingeringmike.com



©Mingering Mike, mingeringmike.com


ミンガリング・マイク (Mingering Mike) を検索した時に結構日本語で記事がでてきたので驚きました。なんと、ミンガリング・マイクの妄想レコードの世界 アウトサイダーソウルアート (P-Vine Books)という日本語の本まで出ている上、テレビにも取り上げられたことが。オバマ大統領とのデュエットアルバム『オバマイク』を妄想リリースしたことが原因でしょうか。

とはいえ、前述の書籍などは中古しか無い上に価格も5700円程もしたり、テレビ番組というのも、フジテレビONE「フジアナスタジオまる生2009」内の「男おばさんコーナー」という、不思議な名前のコーナーで取り上げられたりと、やっぱり物好きな方に好かれる系の方だとは思います。

誰かが言っていました、
どうしてもやめられない好きなことは続けなさい。
それはお金になろうとならなかろうと、あなたの天職なのだ、と。