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アメリカぷるぷるアート観光 Altruart in America

ニューヨークより心が震えるアートの紹介。障害とアート/アウトサイダーアート/アールブリュット/現代アート/NPO団体/アートフェア/美術館/おもしろグッズ etc.

「タヤ・ハウス」アルツハイマーの夫のために


©Ray Chavez

 

部屋の壁中にこれでもか!と敷き詰められた、コルク・ヘアカーラー・木のスプーン・クリスマスの飾り物・ボタン・木っ端・・。どこかの国の寺院のようですが、これはオランダ生まれで、カリフォルニア在住の、タヤ・ドロ(Taya Doro) さんの自宅です。

タヤさんのの母親は、脅迫的に娘たちを「裁縫師」になるために厳しくしつけ、彼女に学校に行くことを禁じました。結果タヤさんは6年生を最後に学校には行けなくなりました。

後アメリカに移住し、40歳を過ぎてアートスクールへも通ってみますが、続けられず断念。そして14歳年上のアフリカン・アメリカン(アフリカ系黒人)の夫と晩婚をします。しかし訪れた幸せも束の間、彼はまもなくアルツハイマーを患うことに。

さらに不幸は襲います。1989年に起こった地震のため、彼女たちの家は崩れかけてしまいます。


©Ray Chavez


ここからがタヤさんのすごいところ。彼女は家を修復する際に「どうせならもっと装飾しよう」と活動を始めました。夫は病状が悪くなるにつれ、ベッドを出られなくなったため、彼女は彼の部屋の壁もせっせと「盛り」始めます。「私がそばで作業をしていれば、彼も1人にならずにすむ。」彼女のこの家の装飾はその後十数年続きます。

先日ご紹介した、「余命5年から復活した、奇跡の生命力と緻密な「機械仕掛けのおもちゃ」@ポール・ボイヤー美術館 
」もそうですが、こういう人たちはどん底にいてもそこで終わらない不思議な楽観さというか、何かを通り越したパワーがあります。



©Ray Chavez

夫の部屋だけにとどまらず、廊下やドアのぶに至るあらゆる箇所に施される

 


©Ray Chavez
この木をくの字に切るだけで相当な時間がかかるはず・・・

 


©Ray Chavez
ゴージャスな天井!

 


©Ray Chavez
マリーアントワネットの部屋の壁紙でしょ?と思いたくなります。

 


©Ray Chavez
装飾に近寄ると、小さなリビングが・・・・。

 


©Ray Chavez
和洋折衷のワンダーランド。ふと、生口島にある耕三寺を連想しました。

 

彼女のこの自宅は現在は別の方が買われて住んでいるようです。この装飾がこのまま残っているかはわかりませんが、これを見て購入しているのでしょうから、アート思考のある方が購入されたのではないかと信じます★