© copyright 2006-2013 Kelly Ludwig
ほのぼのとしたキャラクターと緻密に作りこまれた機械仕掛のおもちゃを制作しているのはポール・ボイヤー(Paul Boyer) さん。機会仕掛けの人形制作に人生を費やした偉人です。テキサス州のカンザス市にそんな彼の壮大な作品集が展示されているミュージアム「ポール・ボイヤー美術館」があります。
彼は正式な教育を受けたわけでもなく、いわゆる「最終学歴」は小学校4年。ほとんど小川に隠れて過ごしていた日々でしたが、5歳の時、彼の父親が風力で動くプロペラを制作しているのを見て、「機械仕掛け」な物の制作への興味が始まりました。それから独自で学んでいたりした矢先、ある日不幸が訪れます。
ポールさん35歳の時でした。不慮の事故で彼は片足を失うことに。更に輸血が問題でC型肝炎にかかり、余命5年と告げられます。踏んだり蹴ったりです。ところが彼はその診断を見事覆し、仕事にも復職!そのことがきっかけで、カービング(木彫)での作品制作を初め、現在にかけ30年以上も作品を作り続けています。素晴らしい作品の裏に、奇跡の生命力あり!
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彼の制作工程はやっぱりユニーク。こういった仕掛けのおもちゃは事前に製作図などを作るものですが、彼の場合は頭に浮かんだものをそのまま青写真も描かずに作り上げます。立体物の造作の素晴らしさもさることながら、張り巡らされたワイヤーによる「動き」の緻密さとどこか漂う滑稽さは、タマラナイものがあります。
1975年にミシガン移住の際、ポールさんはほぼ全ての彼の作品を家族や友人に譲りました。彼の母は1942年に制作されたものまで保管していて、現在はカンザスのこのミュージアムに展示されています。
ブログの終わりに動画を貼り付けますが、一番最後の動画がなんと2曲演奏できるミュージックマシーン。有名な曲を使っているようですが、このメロディーがまたたまらなくいいです。
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ワイヤーの曲げ方、重なり具合までどこまでも美しい