先日より、ニューヨークの近代美術館MoMAで、アウトサイダーアートが展示されています。
展示されているアーティストは、私もよくお仕事しているファウンテンギャラリーFountain Galleryのアーティスト。マーティン・コーヘン(Martin Cohen)、ウラジミール・ニコルスキー(VLADIMIR NIKOLSKI)、ポーラ・イサック(PAULA ISAAC)、アンソニー・ニュートン(ANTHONY NEWTON)、エーデン・ホボルカ(IAEDEN HOVORKA)の5名。
初日の10月11日には、アーティスト、臨床医、ギャラリーディレクター、モマのスタッフらによるパネルディスカッションも行われました。
この展示のテーマはイマジネーション
要約してみると、かつて存在したやり方をまねるのではなく、自分の精神的なものを作品として作り上げる力、に焦点当てています。たとえば、困難な状況にあってもそれを乗り越えるような資質、みなぎってくるような興味・好奇心だったり、アート本来の姿とも言える理想的な、詩的な創造物。
ここには直接「精神障害」「アウトサイダーアート」という言葉は出てきません。作品から感じようよ!という企画側の気持ちが伝わりますね。
左奥の作品群がギャラリーのもの。
作品をみてみます。
マーティンさんの作品"Orange Crosscurrent"
マーティンさんは、ギャラリーでも一押しでコレクターも多いアーティスト。
我社アートルアートでは、マーティン・コーヘンさんの現在展示されている作品を使って、変わった素材のお財布を作ります。完成は2ヶ月ほど先になりますが、また追ってお伝えします!
ウラジミールさんの作品。
作品の中に、民族伝承の物語なんかが織り込まれているような雰囲気があります。私は北海道で育ったので、学生のころ授業でよくアイヌ民族の文化に触れる機会が多かったのです。なので、この作品を見るたびに、なんとなくアイヌ民族博物館のことを思い出します。ここ、いったことある人いるかな?
鮭の皮を使って靴を作っていました、という展示が当時あって、いまでも鮭を食べるたびに思い出すという印象深かったなあ。
もちろん、ファウンテンギャラリーからのアーティストだけではありません。
私の興味を引いたものをいくつかご紹介。
イラ・ブルワーさん(ira brewer)
一生懸命、しっかりと、町の景色を描いている作品。癒されます。
アニメ シンプソンズの一家が住んでいるスプリングフィールドという町の様子。
シンプソンズ、好きなのでしょうねえ。
癒される。
スコットさん(Scott Zwiren)(名前が読めない)
夢にでてきそうです。顔の中に、鳥が。
最近は「荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論」にはまっていて夢にも出てきて、もう、夢もりだくさんです。
ちなみに、少年ジャンプで連載していた「ジョジョの奇妙な冒険」の作者である荒木飛呂彦さんは、本当に博学な人。彼の短編で、クレランス・シュミットの鏡の家を題材にした作品があり、それを少年ジャンプでたまたま読んだ時にはびっっくりしました。
こんなマイナーネタをメジャーで・・・。
いつもそういう姿勢を感じる人は心から尊敬します。
そういった意味でも、
アウトサイダーアートが、「超」メインストリームのモマで展示されたという事実が、私の中では冗談のように嬉しい出来事!
モマの隣に、フォークアートミュージアム(American Folk Art Museum)というのがあり、そこにはアウトサイダーアートも数多く収集され、展示されているのですが、やっぱりモマとは知名度が、段違いなのです。
それに関して言うと、日本のほうが今はずっと進んでいますよね。
世田谷美術館であった展覧会をはじめ、最近では小出さんのラフォーレ原宿でのヘンリーダーガー展、また、各地方での大きなムーブメント。個人的には、前回兵庫県立美術館に行った際、展示入り口のあたりにあった、目の不自由なアーティストの作品(作家名のメモをなくしてしまった。。。)が飾られていたのがとっても印象的です。
展示期間は10月30日まで。もしもニューヨークにこられる方がいたら、ぜひ寄ってみてください。
展示会場詳細:ニューヨーク近代美術館 MoMA
The Lewis B. and Dorothy Cullman Education and Research Building
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