ニューヨークもだんだんすごしやすい天気になってきました。日本と違って梅雨がないので、梅雨の湿気に悩まされていた私には、とっても心地がよいです。
今朝マンハッタンの46丁目と47丁目の8アベニュー沿いをお散歩していると、路上で怪しい人に出会いました。
何が怪しいかというと、まずニオイ。それから、顔と、彼の足もとに散らばるものたち。「Hi!」と笑うくちびるのまわりには、なぜか白い斑点がたくさんついています。恐る恐る足元の物に目をうつすと、
あ!作品だ!!
しかも、かなりかっこいい仕上がりです。
箱の中に、こまごまと敷き詰められたものたち。本人の容姿とニオイとはうってかわって少女趣味的で、かつ、ロマンチックです。選び出されたものひとつひとつ、なんだか内なる情熱を感じます。
以前ニューヨークのホームレスの絵と題した記事を書きましたが、アイフォンで写真をとりながら、彼のことを思い出していました。
箱の隣においてあったコラージュ。半裸の女性の義眼、胸のあたりにはりつけられたたくさんの女性の偶像たち。さらに、右端にある、使い終わったあとのマウスウォッシュが結ばれています。(彼が使ったマウスウォッシュだろうか・・?彼はマウスウォッシュを使うのだろうか?以外にモチーフがすべてきれいだがどこから持ってきたのだろうか?彼の英語がさっぱりわからないのはどうしてだろうか?)
見れば見るほどさまざまな疑問が湧いてきます。
もうすこしアップにしてみると、胸のあたりにたくさんの人形が貼り付けられているのが見えます。
ちょっとぼやぼやですが、中でも一番気になったのが、左の人形。
実物は親指サイズのもの。非常にあやふやな作りです。
こんなの一体どこで入手するのでしょうか?
写真をとっていたら、作品主に、
"You wanna buy?" (買いたいのか?)
"YOU WANNA BUY??" (買いたいんだよな?)
"YOUUU WANNNAAAA BUUYYYY??" (買うよな???)
とすごまれたので、チップを20ドル渡して去りました。作品は彼の元においておきました。
実はこの20ドル、先日知人から、ぽいっといただいた20ドルだったんです。私も同じように、ぽいと彼に渡しました。こうやってお金はめぐりめぐる。経済の血となるわけですね。
ニューヨークはアートなまち、不思議なまち・・・。